
イランがホルムズ海峡の閉鎖を再び宣言し、原油先物が急騰。6月の「イスラマバード覚書」からわずか1カ月、危機は5カ月で5局面目に入りました。本稿では2月末からの経緯を時系列で整理し、価格・セクター・シナリオまでを図解で読み解きます。
2026年7月13日時点の情報に基づく
この記事のポイント
- 7月12日にイラン革命防衛隊(IRGC)海軍がホルムズ海峡の閉鎖を発表。13日朝には米国との攻撃の応酬が伝わり、原油先物が急上昇
- 2月末からの危機は「封鎖→一時停戦→二重封鎖→覚書→再封鎖」と5局面目に突入
- 第1波ではブレント原油が一時126ドル、国内レギュラーガソリンは約2週間で30円超上昇した実績あり
- 原油高の長期化は日米中銀のタカ派化を後押しし、最高値圏にある株式のバリュエーションには逆風
1. 何が起きたのか──7月12日〜13日の動き
7月12日未明(現地時間)、イランの精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊(IRGC)海軍が、ホルムズ海峡の閉鎖を発表しました。発表に先立ち、許可されていない航路で海峡を通過しようとした船舶に対する警告射撃も行われたと報じられています。週明け13日の午前には、船舶の損傷や米国とイランの攻撃の応酬を伝える報道が相次ぎ、原油先物は急上昇。トランプ米大統領は封鎖の実効性に反論していますが、市場は「航行リスクの再燃」を織り込みにいく展開です。
実は、今回の閉鎖宣言には前段があります。6月17日の「イスラマバード覚書」でいったん航行が再開されたものの、6月25日に海峡を通過中の船舶が正体不明の飛翔体による攻撃を受け、7月に入っても商船への攻撃が続発。7月7日には米国が対抗措置としてイランへの攻撃を再開し、米財務省はイラン産原油の販売ライセンスを取り消しました。この日だけで原油価格は5%超急騰し、米10年債利回りも大きく上昇しています。今回の「再封鎖」は、この応酬の延長線上にある動きです。
2. 5カ月・5局面の全体像を時系列で押さえる
今回の危機は2026年2月28日、米国・イスラエルによるイラン攻撃と、その報復としてのホルムズ海峡封鎖から始まりました。以降の展開は「封鎖と交渉の往復運動」と呼べるもので、局面転換のたびに原油と株式が大きく振らされています。まずは全体の流れをタイムラインで確認しましょう。
整理すると、危機は(1)封鎖(2月末〜)、(2)一時停戦(4月上旬)、(3)米・イラン双方向の「二重封鎖」(4月中旬〜)、(4)覚書と航行再開(6月中旬〜)、そして(5)今回の再封鎖という5つの局面をたどってきました。注目すべきは、緊張緩和の局面が長続きしていないことです。停戦や覚書のたびに市場はリスクオンに傾きましたが、いずれも1カ月前後で巻き戻されています。
3. なぜホルムズ海峡が「世界経済の急所」なのか
ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾(アラビア海)をつなぐ幅の狭い水路で、世界が消費する原油の約2割が通過するエネルギー輸送の大動脈です。特に日本は原油輸入の約9割を中東に依存しており、そのほとんどがこの海峡を経由します。つまり日本の投資家にとって、ホルムズ情勢は「遠い国の話」ではなく、ガソリン価格・電気代・企業の原材料コストに直結する国内問題でもあります。
重要なのは、海峡を「物理的に完全封鎖」しなくても経済的な封鎖が成立してしまう点です。タンカーが通航できる水域は限られるため、機雷や対艦ミサイル、警告射撃の「可能性」が示されるだけで、船会社・荷主・保険会社は一斉に慎重姿勢へ転じます。第1波では戦争保険料の急騰により通航が経済的に成り立たなくなり、タンカー交通は当初約7割減、その後ほぼゼロまで落ち込み、150隻超が海峡外で待機する事態となりました。今回も「保険料率」が実質的な封鎖度合いを測る先行指標になります。
4. 第1波の教訓──原油126ドルと「ナフサショック」
再封鎖の影響を見積もるうえで、3〜4月の第1波は貴重な参照点です。ブレント原油は3月8日に4年ぶりとなる100ドルを突破し、ピークでは一時126ドルに到達。WTIも4月7日に112.95ドルまで上昇しました。国内では、レギュラーガソリンの店頭価格が3月2日の158.5円から3月16日には190.8円へと、わずか2週間で30円超も急騰。軽油も146.6円から178.4円まで上がり、物流コスト経由で幅広い品目の値上げ圧力となりました。
価格以上に深刻だったのが供給網への波及、いわゆる「ナフサショック」です。日本の石油化学産業はナフサ輸入の約4割を中東に依存しており、調達難から国内エチレン設備の稼働率は2〜3月に70%前後まで低下しました。好不況の目安とされる90%を大きく下回る記録的低水準で、プラスチックや合成繊維の原料であるエチレンの供給不安は、包装材や自動車部品など川下産業にまで及びました。
ここで押さえたいのは、6月の覚書後に原油価格が急速に正常化していたことです。WTIは7月6日に一時69ドル割れと2月下旬以来の安値をつけ、7月10日終値も71.51ドルと危機前の水準に近づいていました。つまり市場は「危機は終わった」に近い織り込みまで戻していたわけで、再封鎖が現実の供給障害に発展した場合、織り込み直す余地(=上昇余地)は小さくない、というのが現在地です。
5. 今回は何が違うのか──春の第1波との4つの相違点
「またいつもの応酬で、すぐ収まるのでは」という見方もできますが、春と現在とでは前提条件がいくつか異なります。
第1波(3〜4月)との主な相違点
- 「二重封鎖」の構図が温存されたまま──4月に始まった米海軍によるイラン向け船舶の封鎖体制は解消されておらず、緊張が再燃しやすい構造が残っています。
- イラン産原油の市場復帰シナリオが後退──7月7日の米財務省によるライセンス取消で、供給面の緩和期待が一段と剥落しました。
- 中銀環境が春よりタカ派──FRBは政策金利を据え置きつつも利上げ方向の分布を示し、日銀は6月に政策金利を1.0%へ引き上げ済み。6月の国内企業物価は前年比7.1%と3年3カ月ぶりの上げ幅で、原油高がインフレ→金利高→株安の経路で効きやすくなっています。
- 株式市場の初期条件が「最高値圏・期待先行」──S&P500は最高値更新が視野に入る一方、予想EPSの伸びが実績の伸びを大きく上回る状態で、ショックへのクッションが薄いのが現状です。
とりわけ3点目は、日本の投資家にとって実務的な意味を持ちます。原油高が国内物価を押し上げれば、7月31日の日銀金融政策決定会合に向けて早期利上げ観測が強まりやすく、「原油高→円安圧力」と「利上げ観測→円高圧力」の綱引きで為替のボラティリティも高まります。原油と金利、2つのチャートをセットで見る局面です。
6. セクター別影響──追い風と逆風を整理する
再封鎖が長引いた場合のセクター別影響を、第1波の実績をベースに整理しました。ただし同じセクター内でも追い風と逆風が同居するケースがあるため、個別銘柄の精査は欠かせません。
補足として、為替の視点も欠かせません。原油高は日本の交易条件を悪化させるため基本的には円安要因ですが、前述のとおり日銀の早期利上げ観測は円高要因として作用します。第1波では「原油高・円安・株安」が同時進行する場面がありましたが、日銀が利上げ局面に入った現在は、円相場の反応がより読みにくくなっている点に注意が必要です。
7. 今後の3シナリオと確認すべきイベント
シナリオA:早期沈静化(想定確率:中)
米・イランとも全面戦争までは望んでいないとみられ、トランプ大統領は7月10日時点でイラン側からの協議継続の申し出を受け入れたと表明していました。水面下の交渉が続き、覚書の枠組みへの復帰が模索される展開です。原油は反落し、株式はリスクオンに回帰します。
シナリオB:管理された緊張の長期化(想定確率:中)
春に見られた「厳格な管理・統制」型の状態に回帰し、通航は細々と続くものの保険料は高止まり。原油は80〜100ドル台での推移が続き、インフレ再加速で日米中銀のタカ派化が進みます。ガソリン価格の再上昇で家計・企業のコスト負担が再燃する、市場にとってじわじわ効くシナリオです。
シナリオC:全面エスカレーション(想定確率:低)
湾岸の米軍基地への攻撃拡大や機雷敷設などで通航がゼロに近い状態が長期化。原油は第1波の高値である120ドル台を再び試し、最高値圏の株式市場は本格調整に入ります。発生確率は低くとも影響が最大のテールリスクとして、ポジション管理上は無視できません。
※想定確率はいずれも筆者の主観であり、情勢次第で大きく変わり得ます。
今週〜月末のチェックリスト
- 原油先物(WTI・ブレント)とタンカー通航データ、戦争保険料率の動向
- 7月14日:米6月消費者物価指数(CPI)──原油高との合わせ技でFRBのタカ派化が進むか
- 7月15日:FRB議長の議会証言
- 7月31日:日銀金融政策決定会合・総裁会見──早期利上げ観測の変化に注目
- 経済産業省が週次で公表するガソリン店頭価格、ナフサ・エチレン稼働率などの石化指標
8. まとめ──「原油の行方」より「波及経路」を見る
第1波の経験から、市場が織り込むべき変数はすでにはっきりしています。原油が上がるかどうかそのものよりも、(1)保険料率と通航量が示す実質的な封鎖度合い、(2)原油高が国内物価と日銀の利上げ判断に波及するか、(3)最高値圏の株式バリュエーションが金利上昇に耐えられるか──この3つの波及経路です。緊張緩和の局面が1カ月ともたずに巻き戻されてきた5カ月間の経緯を踏まえると、「収まったように見えてもポジションを一気に傾けない」ことが、このテーマとの正しい距離感だと考えています。
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【免責事項】本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。掲載情報は2026年7月13日時点の報道等に基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。
イランがホルムズ海峡の閉鎖を再び宣言し、原油先物が急騰。6月の「イスラマバード覚書」からわずか1カ月、危機は5カ月で5局面目に入りました。本稿では2月末からの経緯を時系列で整理し、価格・セクター・シナリオまでを図解で読み解きます。
2026年7月13日時点の情報に基づく
この記事のポイント
- 7月12日にイラン革命防衛隊(IRGC)海軍がホルムズ海峡の閉鎖を発表。13日朝には米国との攻撃の応酬が伝わり、原油先物が急上昇
- 2月末からの危機は「封鎖→一時停戦→二重封鎖→覚書→再封鎖」と5局面目に突入
- 第1波ではブレント原油が一時126ドル、国内レギュラーガソリンは約2週間で30円超上昇した実績あり
- 原油高の長期化は日米中銀のタカ派化を後押しし、最高値圏にある株式のバリュエーションには逆風
1. 何が起きたのか──7月12日〜13日の動き
7月12日未明(現地時間)、イランの精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊(IRGC)海軍が、ホルムズ海峡の閉鎖を発表しました。発表に先立ち、許可されていない航路で海峡を通過しようとした船舶に対する警告射撃も行われたと報じられています。週明け13日の午前には、船舶の損傷や米国とイランの攻撃の応酬を伝える報道が相次ぎ、原油先物は急上昇。トランプ米大統領は封鎖の実効性に反論していますが、市場は「航行リスクの再燃」を織り込みにいく展開です。
実は、今回の閉鎖宣言には前段があります。6月17日の「イスラマバード覚書」でいったん航行が再開されたものの、6月25日に海峡を通過中の船舶が正体不明の飛翔体による攻撃を受け、7月に入っても商船への攻撃が続発。7月7日には米国が対抗措置としてイランへの攻撃を再開し、米財務省はイラン産原油の販売ライセンスを取り消しました。この日だけで原油価格は5%超急騰し、米10年債利回りも大きく上昇しています。今回の「再封鎖」は、この応酬の延長線上にある動きです。
2. 5カ月・5局面の全体像を時系列で押さえる
今回の危機は2026年2月28日、米国・イスラエルによるイラン攻撃と、その報復としてのホルムズ海峡封鎖から始まりました。以降の展開は「封鎖と交渉の往復運動」と呼べるもので、局面転換のたびに原油と株式が大きく振らされています。まずは全体の流れをタイムラインで確認しましょう。
整理すると、危機は(1)封鎖(2月末〜)、(2)一時停戦(4月上旬)、(3)米・イラン双方向の「二重封鎖」(4月中旬〜)、(4)覚書と航行再開(6月中旬〜)、そして(5)今回の再封鎖という5つの局面をたどってきました。注目すべきは、緊張緩和の局面が長続きしていないことです。停戦や覚書のたびに市場はリスクオンに傾きましたが、いずれも1カ月前後で巻き戻されています。
3. なぜホルムズ海峡が「世界経済の急所」なのか
ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾(アラビア海)をつなぐ幅の狭い水路で、世界が消費する原油の約2割が通過するエネルギー輸送の大動脈です。特に日本は原油輸入の約9割を中東に依存しており、そのほとんどがこの海峡を経由します。つまり日本の投資家にとって、ホルムズ情勢は「遠い国の話」ではなく、ガソリン価格・電気代・企業の原材料コストに直結する国内問題でもあります。
重要なのは、海峡を「物理的に完全封鎖」しなくても経済的な封鎖が成立してしまう点です。タンカーが通航できる水域は限られるため、機雷や対艦ミサイル、警告射撃の「可能性」が示されるだけで、船会社・荷主・保険会社は一斉に慎重姿勢へ転じます。第1波では戦争保険料の急騰により通航が経済的に成り立たなくなり、タンカー交通は当初約7割減、その後ほぼゼロまで落ち込み、150隻超が海峡外で待機する事態となりました。今回も「保険料率」が実質的な封鎖度合いを測る先行指標になります。
4. 第1波の教訓──原油126ドルと「ナフサショック」
再封鎖の影響を見積もるうえで、3〜4月の第1波は貴重な参照点です。ブレント原油は3月8日に4年ぶりとなる100ドルを突破し、ピークでは一時126ドルに到達。WTIも4月7日に112.95ドルまで上昇しました。国内では、レギュラーガソリンの店頭価格が3月2日の158.5円から3月16日には190.8円へと、わずか2週間で30円超も急騰。軽油も146.6円から178.4円まで上がり、物流コスト経由で幅広い品目の値上げ圧力となりました。
価格以上に深刻だったのが供給網への波及、いわゆる「ナフサショック」です。日本の石油化学産業はナフサ輸入の約4割を中東に依存しており、調達難から国内エチレン設備の稼働率は2〜3月に70%前後まで低下しました。好不況の目安とされる90%を大きく下回る記録的低水準で、プラスチックや合成繊維の原料であるエチレンの供給不安は、包装材や自動車部品など川下産業にまで及びました。
ここで押さえたいのは、6月の覚書後に原油価格が急速に正常化していたことです。WTIは7月6日に一時69ドル割れと2月下旬以来の安値をつけ、7月10日終値も71.51ドルと危機前の水準に近づいていました。つまり市場は「危機は終わった」に近い織り込みまで戻していたわけで、再封鎖が現実の供給障害に発展した場合、織り込み直す余地(=上昇余地)は小さくない、というのが現在地です。
5. 今回は何が違うのか──春の第1波との4つの相違点
「またいつもの応酬で、すぐ収まるのでは」という見方もできますが、春と現在とでは前提条件がいくつか異なります。
第1波(3〜4月)との主な相違点
- 「二重封鎖」の構図が温存されたまま──4月に始まった米海軍によるイラン向け船舶の封鎖体制は解消されておらず、緊張が再燃しやすい構造が残っています。
- イラン産原油の市場復帰シナリオが後退──7月7日の米財務省によるライセンス取消で、供給面の緩和期待が一段と剥落しました。
- 中銀環境が春よりタカ派──FRBは政策金利を据え置きつつも利上げ方向の分布を示し、日銀は6月に政策金利を1.0%へ引き上げ済み。6月の国内企業物価は前年比7.1%と3年3カ月ぶりの上げ幅で、原油高がインフレ→金利高→株安の経路で効きやすくなっています。
- 株式市場の初期条件が「最高値圏・期待先行」──S&P500は最高値更新が視野に入る一方、予想EPSの伸びが実績の伸びを大きく上回る状態で、ショックへのクッションが薄いのが現状です。
とりわけ3点目は、日本の投資家にとって実務的な意味を持ちます。原油高が国内物価を押し上げれば、7月31日の日銀金融政策決定会合に向けて早期利上げ観測が強まりやすく、「原油高→円安圧力」と「利上げ観測→円高圧力」の綱引きで為替のボラティリティも高まります。原油と金利、2つのチャートをセットで見る局面です。
6. セクター別影響──追い風と逆風を整理する
再封鎖が長引いた場合のセクター別影響を、第1波の実績をベースに整理しました。ただし同じセクター内でも追い風と逆風が同居するケースがあるため、個別銘柄の精査は欠かせません。
補足として、為替の視点も欠かせません。原油高は日本の交易条件を悪化させるため基本的には円安要因ですが、前述のとおり日銀の早期利上げ観測は円高要因として作用します。第1波では「原油高・円安・株安」が同時進行する場面がありましたが、日銀が利上げ局面に入った現在は、円相場の反応がより読みにくくなっている点に注意が必要です。
7. 今後の3シナリオと確認すべきイベント
シナリオA:早期沈静化(想定確率:中)
米・イランとも全面戦争までは望んでいないとみられ、トランプ大統領は7月10日時点でイラン側からの協議継続の申し出を受け入れたと表明していました。水面下の交渉が続き、覚書の枠組みへの復帰が模索される展開です。原油は反落し、株式はリスクオンに回帰します。
シナリオB:管理された緊張の長期化(想定確率:中)
春に見られた「厳格な管理・統制」型の状態に回帰し、通航は細々と続くものの保険料は高止まり。原油は80〜100ドル台での推移が続き、インフレ再加速で日米中銀のタカ派化が進みます。ガソリン価格の再上昇で家計・企業のコスト負担が再燃する、市場にとってじわじわ効くシナリオです。
シナリオC:全面エスカレーション(想定確率:低)
湾岸の米軍基地への攻撃拡大や機雷敷設などで通航がゼロに近い状態が長期化。原油は第1波の高値である120ドル台を再び試し、最高値圏の株式市場は本格調整に入ります。発生確率は低くとも影響が最大のテールリスクとして、ポジション管理上は無視できません。
※想定確率はいずれも筆者の主観であり、情勢次第で大きく変わり得ます。
今週〜月末のチェックリスト
- 原油先物(WTI・ブレント)とタンカー通航データ、戦争保険料率の動向
- 7月14日:米6月消費者物価指数(CPI)──原油高との合わせ技でFRBのタカ派化が進むか
- 7月15日:FRB議長の議会証言
- 7月31日:日銀金融政策決定会合・総裁会見──早期利上げ観測の変化に注目
- 経済産業省が週次で公表するガソリン店頭価格、ナフサ・エチレン稼働率などの石化指標
8. まとめ──「原油の行方」より「波及経路」を見る
第1波の経験から、市場が織り込むべき変数はすでにはっきりしています。原油が上がるかどうかそのものよりも、(1)保険料率と通航量が示す実質的な封鎖度合い、(2)原油高が国内物価と日銀の利上げ判断に波及するか、(3)最高値圏の株式バリュエーションが金利上昇に耐えられるか──この3つの波及経路です。緊張緩和の局面が1カ月ともたずに巻き戻されてきた5カ月間の経緯を踏まえると、「収まったように見えてもポジションを一気に傾けない」ことが、このテーマとの正しい距離感だと考えています。
あわせて読みたい
関連記事:7月31日の日銀会合プレビュー記事を準備中です(公開後にリンクを設置します)。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。掲載情報は2026年7月13日時点の報道等に基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。










