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レアアース・重要鉱物の供給網問題

「脱・中国依存」が国策に! レアアース・重要鉱物の供給網問題と注目すべき投資テーマを解説

📌 なぜ今、レアアースが熱いのか?

2026年に入り、「レアアース(希土類)」という言葉がビジネス・投資の世界でかつてないほど注目を集めています。株探のテーマランキングでは2026年2月時点で「レアアース」が1位にランクイン。背景にあるのは、中国による対日輸出規制の強化と、それに対抗するG7各国の連携強化という地政学的な動きです。

レアアースとは、スカンジウムやネオジムなど17種類の希少元素の総称です。スマートフォン・電気自動車(EV)のモーター・半導体製造・風力発電など、現代のハイテク産業に欠かせない素材であることから「現代産業のビタミン」とも呼ばれています。

世界のレアアース採掘生産の約70%、精錬の約90%を中国が占めている——。この一点だけで、いかに日本・欧米が中国に依存しているかが分かります。

🌏 中国が「輸出規制カード」を切った背景

今回の問題は一連の日中間の政治的緊張から始まりました。高市早苗首相の台湾有事に関する発言が中国側の反発を招き、中国政府はデュアルユース(軍民両用)品目の対日輸出規制強化を発表。その対象にレアアースが含まれるとの懸念が一気に広がりました。

実は、中国がレアアースを「外交カード」として使うのは今回が初めてではありません。2010年の尖閣諸島衝突事件後の輸出禁止措置、2025年4月のトランプ関税への報復措置(7種類のレアアース輸出停止)に続き、今回で3度目の大規模な規制強化となります。2025年5月にはレアアース磁石の輸出が前年同月比で約7割減という衝撃的な数字を記録し、日本の自動車メーカーが工場稼働を一時停止する事態にまで発展しました。

🤝 G7が動いた——「最低価格制度」まで検討

この状況を重く見たのが、G7(主要7カ国)です。2026年1月12日、米ワシントンで重要鉱物に関する閣僚級会合が開催されました。G7の財務相に加え、オーストラリア・インド・韓国・メキシコも参加したこの会合では、中国に頼らない供給網づくりを加速させることで合意しています。

日本からは片山さつき財務相が出席し、「対中依存度をスピード感を持って引き下げることでほぼ合意した」と記者団に明かしました。ベセント米財務長官もSNS上で「重要鉱物供給網の脆弱性に迅速に対処する共通の強い意思を確認できた」と成果を強調しています。

さらに踏み込んだ議論として注目されるのが、重要鉱物に「最低価格」を設定する制度の検討です。中国が低コスト生産で価格競争力を持つ現状に対し、G7が連携して生産者の採算を確保しながら中国以外の供給網を育てていこうという発想です。これが実現すれば、非中国系のレアアース企業にとっては大きな追い風となります。

🇯🇵 日本独自の「3本柱」戦略とは

日本政府・産業界が進める対策は、大きく3つの柱で成り立っています。

① 海外調達先の多角化

双日がオーストラリアから重希土類を2025年10月に初めて輸入したほか、三菱商事は米国のMPマテリアルズと独占販売契約を締結。岩谷産業はフランスのレアアース精錬企業に出資するなど、大手商社や素材メーカーが中国以外への調達先確保を急いでいます。

② 都市鉱山・リサイクル技術の活用

日本国内の電子機器・家電製品に眠るレアメタルを「都市鉱山」と呼びます。その埋蔵量は世界トップクラスと推計されており、信越化学工業はトヨタとハイブリッド車モーターのレアアースリサイクルを実現。DOWAホールディングスも日本・ベトナムにリサイクル拠点を展開しています。

③ 南鳥島沖の「海底レアアース泥」開発

最も注目度が高いのが、小笠原諸島・南鳥島沖の水深約6,000メートルの海底に眠るレアアース泥の開発プロジェクトです。推定埋蔵量は約1,600万トンと世界第3位に相当するとされており、JAMSTECの地球深部探査船「ちきゅう」が2026年1月に接続試験に成功。2027年2月には本格的な採掘試験が計画されています。成功すれば世界初の快挙で、日本が「資源大国」に転換する可能性を秘めています。

💹 投資家が注目すべき関連セクターと銘柄群

レアアース問題を投資テーマとして捉える場合、以下の3つの切り口から関連銘柄を整理すると分かりやすいでしょう。

【採掘・開発】南鳥島プロジェクト関連

東亜建設工業(1885)は南鳥島のレアアース泥採取に必要な「解泥技術」をJAMSTECの委託を受けて開発した国内マリコン大手。岡本硝子(5218)は深海用探査機「江戸っ子1号」がJAMSTECの採泥試験に採用されることが発表され注目を集めました。いずれも国策プロジェクトへの直接関与が期待される銘柄です。

【商社・調達】脱中国の調達先多角化をリードする銘柄

双日(2768)・三菱商事(8058)・丸紅(8002)などの総合商社は、オーストラリアや米国からレアアースの代替調達を進めています。中でもトヨタグループの商社であるトヨタ通商(8015)は、インドなど中国以外の調達ルートを以前から開拓してきた実績があります。

【精錬・リサイクル】技術力で差別化できる素材・化学系銘柄

精錬工程では中国のシェアが91%に達しており、日本でレアアースを精錬できる企業は現状ほとんど存在しません。今後、政府が民間企業に精錬参画を要請する可能性があり、DOWAホールディングス(5714)・住友金属鉱山(5713)・信越化学工業(4063)といった技術力を持つ素材系企業が候補として挙がっています。

⚠️ 投資にあたって押さえておきたいリスク

レアアース関連投資は中長期の成長期待が大きい一方で、以下のリスクも念頭に置く必要があります。

  • 地政学リスク:日中関係が改善すれば規制が緩和され、テーマの盛り上がりが一時的に冷える可能性があります。
  • 商業化までの時間:南鳥島の海底採掘は政府が2028年度以降の生産体制整備を目標としており、商業化には相当な時間を要します。株価への織り込みが先行しすぎるリスクに注意が必要です。
  • 代替技術の台頭:「脱レアアース」技術(レアアースフリーモーターなど)の普及が進めば、レアアース需要自体が縮小するシナリオも想定されます。
  • 中国の主導権:生産コストを考えると、中国依存から完全に脱却するには10年単位の時間と莫大な投資が必要とも言われており、短期的な解決は難しいのが実情です。

📝 まとめ——「国策テーマ」として中長期目線で注目

レアアース・重要鉱物の供給網問題は、単なる一時的なニュースではなく、政府の経済安全保障政策、G7の国際連携、そして企業の調達戦略を巻き込んだ構造的・長期的なテーマです。高市首相の施政方針演説でも言及されるなど「国策」としての性格が強く、政策的な追い風が続く可能性が高いといえます。

短期的にはニュースの流れ次第で株価が乱高下するリスクがあるため、一点集中ではなくサプライチェーン全体(採掘・精錬・リサイクル・調達)に分散して関連銘柄に目を向けることが、このテーマを攻略するうえでの基本戦略になるでしょう。

  • 短期:日中関係のニュースを注視しつつ、規制強化の都度テーマ関連株が物色される波に乗る
  • 中期:G7の「最低価格制度」検討など政策具体化のタイミングで再評価余地あり
  • 長期:南鳥島の商業採掘成功やオーストラリア等との共同開発進展を見据えた仕込み

投資はあくまでも自己判断・自己責任でお願いします。本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。


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<ツイッターの反応>

くれるぼ
@pilgrimwayfarer

警告から制裁へと移行かな。習近平が日本の軍国主義のブレーキ役として機能していて面白い。中国言動は一貫しているし理知的。一方的に詰め将棋をやれる立場だから強い。高市さんでは太刀打ちできまい。愛国レアアースで夢見てると良い。 news.yahoo.co.jp/articles/e8322…

(出典 @pilgrimwayfarer)

AKIRA☆
@discus7kiss

高市総理の中国を刺激した発言で 中国はレアアースの 輸出規制を拡大してきた 困るのは、日本企業 高市氏 なんとかしろよ

(出典 @discus7kiss)

espereai
@confiancaoutro

返信先:@naomi_tokashiki もっとバランス感覚を持って現状をみて下さい 一方で中国への強硬姿勢で敵対感を見せ もう一方で防衛力強化を言う、レアアースに資源発掘で(出来てはいないが)対抗 そして 対話の情報のカケラも無く 「平和的解決」の一言もない 中国への敵愾心を煽っているとしか思えないんですけど?

(出典 @confiancaoutro)

憂国
@M60829646

予想の範囲内、 レアアース採掘の海洋開発を急ぐのです。 その関連だったら、アメリカ向け80兆投資にからめて推進しても日本にとって益があるでしょう。 日本の防衛20社に輸出規制 中国、三菱重工や川崎重工(共同通信) #Yahooニュース news.yahoo.co.jp/articles/e8322…

(出典 @M60829646)

Grok
@grok

返信先:@64_61_69_64_6f他1人 はい、南鳥島沖の深海(約5700m)からレアアース泥の試験採取に成功しました。探査船「ちきゅう」が1月から作業し、2月1日に泥を引き揚げ、14日に帰港済みです。分析中ですが、中国依存脱却の一歩として期待されてます。

(出典 @grok)

ろうきゅうぐん
@roukyugun

返信先:@wangelico8他1人 電子機器に使うレアアース中国から70%ですからね。

(出典 @roukyugun)

れもーーーん
@N2lR0uEzxZ37951

返信先:@24newseveryday こう見ると、経済的な圧力はレアアースの輸出規制と税関での輸入遅延が当てはまるのか。中国側の手札上2つが独裁国家を体現してるね。

(出典 @N2lR0uEzxZ37951)

すちこ
@CoyPuxd0qx8oxqj

返信先:@liqing_1970他1人 精密機械の代替え国があるというなら早く日本以外の国に代替えしたら? あとレアアースは中国が大半をしめているが、それは中国以外の国にないというわけではないし、日本の南鳥島にもレアアースはあり世界初深海底からの採取も成功している。

(出典 @CoyPuxd0qx8oxqj)

森泉岳土@コミカライズ版『ソラリス』
@moriizumii

まさかさ、「自民党が殺傷武器輸出の原則容認を提言」→「中国が軍事関連企業にレアアースなどの輸出を規制」でそもそも殺傷武器をつくれなくなるって、もう「お花畑」どころじゃないよ、「無」だよ、「無」。戦争になったら国に殺されるよ。 x.com/moriizumii/sta…

(出典 @moriizumii)

ガジュマル
@kin3RM

中国政府が今度は日本の防衛にダメージ少しでも与えようとふざけたことやらかしてるね。防衛銘柄今日は下落しました。明日ももしかしたら下落かな?でも、レアアース銘柄と違ってここは国策💪💪💪IHIが25日線とかに近づいたら押し目で少し買っておこう。

(出典 @kin3RM)

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