
今週の決算ラッシュ展望
5月12日〜15日|316→472→688→686社、週を追うごとに加速する"決算の山"
2026年3月期の決算シーズンが最終盤を迎えた。今週(5月12日〜15日)は東証上場企業の約1,800社超が本決算を発表する、文字通りの"決算ラッシュ"週となる。三菱重工業、ソフトバンクグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、それぞれのセクターを代表する銘柄が出揃い、相場全体の地合いに影響を与える可能性がある。本稿では各日の注目銘柄と、押さえておくべき見どころをまとめる。
2026年3月期通期は純利益2,600億円(前期比+6%)と過去最高益となる見通しが2月時点で示されている。受注残は防衛・ガスタービン向けの旺盛な需要により前期比5%増の6兆7,000億円への上方修正が既に発表済み。今回の本決算で焦点となるのは、①2027年3月期の利益ガイダンス、②防衛費増額の受注寄与度、③エネルギー事業(LNG・ガスタービン)の中東地政学リスクへの耐性の3点だ。
AIデータセンター向け光ファイバー需要の急拡大を背景に、2026年3月期第1四半期は売上高が前年同期比+7.4%増、営業利益は+139.8%増と大幅増益で着地した実績を持つ。4月には世界最高クラスの超多心光ファイバーケーブルの量産を開始し、専用工場の新設で生産能力を従来比2倍以上に拡大。来期ガイダンスで「AI需要の継続性」をどう見込むかが株価の方向性を決める。
AI関連株として個人投資家の注目度が最も高い銘柄。最大の焦点はARM Holdings(アーム)の業績寄与と株価前提の変化だ。また、孫正義氏がトランプ政権への対米投資として表明した1,000億ドルの投資コミットメントの進捗にも市場は注目。Vision Fund 2の評価損益改善がどこまで進んでいるかが、純資産価値(NAV)に直結する。今週の決算の中で最も市場インパクトが大きい発表の一つ。
ARM株はAIインフラ需要の拡大を背景に2026年に入っても高値圏を維持。SBGの持分比率は約90%で、ARM株価1%の変動がSBGのNAVに数千億円規模の影響を与える。孫氏が描く「AIエネルギー革命」への言及があるかも注目ポイントだ。
円安継続によるインバウンド消費(特に富裕層向けラグジュアリー品)の好調が続く中、今期の業績は高水準で着地する見通し。来期の見通しとして「来訪者数の持続性」と「国内高額消費の底堅さ」をどう提示するかがポイント。また、百貨店業界全体の構造改革(EC強化・外商深耕)の進捗にも注目が集まる。
AIデータセンター向け高速光ケーブル「CPO(共同パッケージ光)」で世界シェアトップを走るフジクラは、今期の最大注目銘柄の一つ。直近四半期まで受注残は積み上がっており、今期通期の業績は大幅増益が市場コンセンサス。焦点は「来期も増益継続できるか」だ。NvidiaやAWSが発表した2026〜2027年のデータセンター投資計画が追い風になる一方で、競合他社の追い上げや生産能力の制約が懸念材料となる。
次世代AIサーバー内でGPUとネットワークスイッチを光通信で直結する技術。従来の銅配線より消費電力を大幅に削減でき、超高密度AIクラスターに不可欠。フジクラはこの分野でいち早く量産体制を確立しており、同社株はCPO関連の代表銘柄として位置づけられている。
決算ラッシュの最後を締めくくるのが国内最大のメガバンク。日銀の金融政策正常化(利上げ)の恩恵で、今期の収益環境は好転しており、純利益は前期比で増益基調が続いている。市場の最大の関心は2027年3月期の利益ガイダンスと自社株買い・増配の有無だ。また、米国関税によるグローバル景気減速リスクが与信コストに与える影響も精査される。決算説明会は5月15日(金)18:30よりオンライン配信予定。
テーマ別 今週の注目ポイント整理
今週の決算を見るうえでの総括
今週の決算ラッシュは単なる「数字の確認」にとどまらない。米国の通商法122条関税(7月24日期限)と日銀の追加利上げ観測を背景に、各社の来期(2027年3月期)ガイダンスこそが市場の最大の関心事だ。特に輸出比率の高い自動車・電機セクターでは、関税コストをどの程度織り込むかによって来期予想が大きくぶれる可能性がある。
一方でAI・光インフラ関連の古河電工・フジクラについては、来期も高水準の受注残が維持されるかどうかが「テーマ株から実力株へ」の転換点を示す試金石となる。ソフトバンクグループのARMガイダンスと合わせて、今週は日本株全体の2027年度業績予想の「標準値」が形成される重要な一週間だ。



















