
米中間選挙の事前投票が5,200万人超で過去最多 ── 投開票前に見直す3つのシナリオと、株・金利・円で確認すること【2026年11月】
この記事のポイント
- 結論:事前投票・郵便投票は5,200万人以上で過去最多(11/1報道)。ただし投票数の多さは「どちらが有利か」を決めず、10/20時点の織り込み(民主党の下院奪還約9割・両院奪還約6割)を直ちに変える材料にはならない。
- 共和党内では「トランプ関税は有害」とする離反が相次ぐと報じられた。関税(232条・301条)は大統領の権限で残るため、議会の構成が変わってもすぐには止まらない。
- 株価を動かすのは勝者ではなく予想とのズレ。本当のサプライズは約1割の「共和党の両院維持」で、そのときは長期金利の上昇とドル高(円安)が先に動きやすい。
- 次の注目は11月3日の投開票。日本時間4日の午後以降に大勢が見えるが、上院は数日かかることもある。開票直後は米10年債利回り、ドル円、NASDAQ先物の順に確認する。
1何が起きたか ── 事前投票が5,200万人超で過去最多
11月1日、米中間選挙の期日前投票と郵便投票を済ませた人が5,200万人以上となり、過去最多になったと報じられました(Yahoo!ニュース、11月1日16:06)。投開票日は11月3日です。別の報道では、事前投票は前回を上回り、そのうち民主党支持層が4割だったとも伝えられています。
同じ日には、共和党内でトランプ氏と距離を置く動きが相次いでいるとも報じられました。見出しでは「トランプ関税は有害」とする離反が出ており、ブッシュ家も反旗を翻したと伝えています。ただし、離反した議員の人数や名前は見出しの時点では確認できません。
| 確認できた事実 | 数値 | 注意点 |
|---|---|---|
| 事前投票・郵便投票 | 5,200万人以上(過去最多) | 前回比の割合は報道に記載なし |
| 事前投票のうち民主支持層 | 4割 | 関連記事の見出しの記述。支持政党の集計方法は未確認 |
| 共和党内の動き | 離反が相次ぐ | 人数・内訳は報道に記載なし |
| 投開票日 | 11月3日 | 日本時間では4日の午後以降に大勢が見える見通し |
事前投票が多いことは、投票率が高まりそうだという意味にとどまります。事前投票の支持政党別の内訳は、党が事前に登録した有権者の傾向から推計したものが多く、実際の投票先とは一致しない場合があります。
210/20の3シナリオは変わるのか
10月20日の記事(トランプ敗北で米国株は上がる?2026年米中間選挙の3シナリオ)では、10月19日前後の予測市場の価格をもとに、次の織り込みを整理しました。
| 結果 | 予測市場の織り込み(10/19前後) | 市場の驚き |
|---|---|---|
| ②民主党が上下両院 | 約62% | 小さい |
| ①ねじれ(下院は民主党、上院は共和党) | 約28% | やや小さい |
| ③共和党が上下両院 | 約10% | 大きい(本当のサプライズ) |
上の表は10月20日の記事の数値です。この記事の執筆時点で予測市場の最新の価格は確認していません。投開票の前に、Kalshi・Polymarketなどで最新の価格を確かめてください。
今回の報道は、方向としては共和党に厳しい材料です。事前投票が過去最多で、共和党内にも離反が出ているためです。ただし、そのぶんは10月20日時点で既にかなり織り込まれていたと考えるのが自然です。結論は変えず、「③のサプライズが小さくなる材料が増えた」という見方にとどめます。
3共和党の離反は「関税」に効くのか
「トランプ関税は有害」という声が共和党から出ていることは、関税の行方を考えるうえで注目に値します。ただ、10月20日の記事で整理したとおり、2026年2月に連邦最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)による関税は認められないと判断し、いわゆる相互関税は無効になりました。それでも通商拡大法232条(鉄鋼・アルミ・銅・自動車・半導体など)と通商法301条の関税は残っています。
これらは大統領の権限で動くため、議会で多数派が変わっても、すぐに止まるとは限りません。共和党議員が反対を表明しても、市場は「実際に関税が下がるか」を見ます。議会が変えやすいのは予算と税、変えにくいのは通商・輸出管理の権限という整理は、今回も変わりません。
4開票の夜に何を見るか ── 順番が大事
| 順番 | 見るもの | 読み方 |
|---|---|---|
| 1 | 米10年債利回り | 最初に反応するのは債券と為替。利回りが急に上がれば、③(共和党の両院維持)のサプライズを疑う |
| 2 | ドル円 | ③ならドル高(円安)方向。ねじれ・②なら円高方向の余地。日本株では輸出株の見え方が変わる |
| 3 | NASDAQ先物・半導体株 | 金利が上がるとPERの高い成長株に逆風。金利が下がれば追い風 |
| 4 | 上院の接戦州の開票状況 | 接戦では開票に数日かかることがある。「結果が出ない」時間が長引くこと自体が重しになり得る |
10月20日の記事の試算では、6か月のS&P500は、ねじれで+3〜+7%、民主党の両院で−2〜+8%、共和党の両院で−1〜+5%でした。これは10月16日の終値を起点にした筆者の仮定にもとづく目安で、今回の報道を受けて試算をやり直したものではありません。
5個人投資家のチェックリスト
- 投開票前に、予測市場の価格と議席予測が10月20日からどう動いたかを確かめる。
- 米10年債利回りとドル円の水準を、投開票前の終値として記録しておく(開票後の動きを比べるため)。
- 投票結果が出る日本時間11月4日は、値動きが荒くなる前提で、一度にまとめて買わない。
- 米国株は為替の影響を受ける。円高になれば円での評価額は目減りする。
- 日本株は、ドル円が円安になるか円高になるかで、輸出株の見え方が変わる。
金利・為替の見方は「中央銀行ウォッチ」、地政学・政治イベントの経路は「地政学リスクウォッチ」で追っています。S&P500と米10年債の関係はS&P500と米10年債の綱引きの記事も参考になります。選挙の結果が出たら、10月20日の記事の予想と実際の結果を比べる検証記事を書く予定です。
この記事は投資の勧誘ではありません。試算・見方は公開情報と筆者の仮定にもとづくもので、将来の株価を保証するものではありません。投資判断はご自身で行ってください。
出典と注意
事前投票5,200万人以上・過去最多:Yahoo!ニュース「米中間選挙 事前投票が過去最多」(2026年11月1日16:06、リンク)。共和党内の離反:Yahoo!ニュース「共和党 トランプ氏から離反相次ぐ」(同日09:58、リンク)。予測市場の織り込み・関税の整理:当サイト10月20日の記事(Kalshi・Polymarketの10月19日前後の価格)。記載内容は2026年11月1日時点の報道に基づきます。
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本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

